丹羽薫選手の親友、しのちゃん (田辺 聡美) による Lavaredo Ultra Trail レースサポート記です。これはしのちゃんの Facebook 投稿を本人と薫さんの許可をもらって転載したものです。では早速どうぞ~!

こんにちは

トレイルランニングを始めて約6年。100mile は未経験ですが、サポート経験はなかなか豊富になってきました。そんな私の経験を「サポートしてみたい」「してもらいたい」と思っている方の参考になるよう、臨場感たっぷりで書いてみました。

 田辺 聡美

はじめに

親友でSalomonアスリートの薫ちゃんのサポートにイタリアのコルチナへ行ってきました。レースの舞台裏や詳細情報をレポートします。長いです(笑)が参加を考えている方、興味がある方良ければ読んでみてください。

レース前日まで

レース前日までは薫ちゃんがFBでアップしたようにハイキングや高地順応を行いました。昨年のアンドラでも素晴らしい景色を見られましたが、コルチナの山々はそれ以上に私を興奮させる壮大なものでした。

山小屋からゲレンデを直登しパチリ@コルティーナ・ダンペッツォ © Satomi T.

レース当日~23:00スタートまで

キッチンのある宿は自分たちの好きな物作れるので便利。© Satomi T.

朝食後二人で軽く走りに行きました。それからはスタートまで色々な用事を済ませ、昼寝をし、22時前にスタート会場へ向かいました。薫ちゃんはアップ後スタート地点に並びますが、この日は風が強くてとても寒くギリギリまでウェア選びに悩んでいました。

 

© Satomi T.

スタート地点に並んでからは外国人選手の大きな体に隠れて全く見えなくなりました。そして私はスタート直後第一サポート地点へ向かいました。

33km FEDERAVECCHIA 3:08到着

第一サポート地点 © Satomi T.

今回は一人で運転し各サポート地点を回るので責任重大でした。夜中に山道を車でグネグネ走り始めると前後に車がいなくて凄く怖くなりましたが、すぐに慣れて逆に集中して運転できました。エイドに着くとまだ準備前でスタッフがミーティングをしていました。私も用意をして少し休もうとしましたが、ガタガタ震えるくらい寒くなってエンジンをかけました。温度計は3℃でしたが、風もあったし体感は0℃を下回っていたと思います。

選手の家族、友人がたくさんいてエイドは賑やか © Satomi T.

Live Trailと薫ちゃんが携帯しているGPSの位置情報をチェックして、到着予定の約30分前にサポートエリアに入りました。そこはサポート用ゼッケンを着用している人が一人入れるようになっていて、どこのエリアも大体飲食提供の横にありました。
薫ちゃんの到着です。表情はいつも通り笑顔で落ち着いて見えました。本人も調子いいよ、と話してすぐ出発しました。今回はレース前に現地のさつま芋でスイートポテトを作ったので、それを必ず1個それぞれのサポート場所で食べました。

さつま芋をこんな風なスイートポテトにして、サポート場所で渡してました。

66km CIMABANCHE 7:46到着

前のサポート場所を出る時10分ほどランナー優先のため車を動かせませんでした。トップの方でこんなに次々ランナーが来る事にこのレースのレベルの高さを予感しました。
移動中、misurina湖沿いを走りますが牛が放牧されてて、夜中に必死に草を食む姿に癒やされました。
第一サポートと同じで私の到着時はエイドの準備中でした。用意し仮眠後目が覚めると4時半頃にも関わらず既に明るくて5時過ぎにはヘッデンが要らないくらいでした。

第二サポート地点 © Satomi T.

そしてここもやっぱり寒かったです。トップ選手はノースリーブの人もいますが、ほとんどシェルを着ていました。薫ちゃん曰く走ってる分にはちょうどいいという事でした。ただ気温は低いですが、かなり日射しがキツく日焼け止めをたっぷり塗りました。予定よりほんの少し遅れて到着した時遅くなってごめ〜んと入ってきました。今回は距離が120kmなのでここから順位を伝えました。前の外国人選手がしんどそうだった事、薫ちゃんならすぐ捕まえられる!と励まして見送りました。

日焼け大好き外国人もさすがに寒くてみんな厚着 © Satomi T.

95km COL GALLINA 12:46到着

第三サポート地点 © Satomi T.

到着時、すでに結構車が止まっていました。ハイクや自転車を楽しむ人たちの車も多かったので、ここの車の駐車が一番大変かもしれません。みんな路駐は当たり前で、少し離れたところにもサポートや応援の車が止められていました。私も車で準備をしていると数回「もう出発する?車を出す?」と聞かれました。

向こうの岩山のようなところから選手が降りてきます © Satomi T.

だいぶ時間に余裕があるので、近くをハイクしました。もう分かってる!と言われそうですがここも風が強くて寒かったし、日差しが強かったです。私はもうすでに目が痛くて、涙が止まらない状態になっていました。サングラスと目薬、日焼け止めは絶対に忘れないように気をつけてください。そしてエイドになっている山小屋で美味しいエスプレッソを飲みました。(エスプレッソじゃない普通サイズのコーヒーが飲みたいときはカフェアメリカーノと注文を。その言葉がどうしても思い出せなくて旦那にLINEで聞いたくらいです。

 

山小屋の中。清潔感があって綺麗です © Satomi T.

 

脱線しましたが、薫ちゃんの到着です!待ちに待った到着なので、薫ちゃーんと叫んだら回りの外国人もパチパチ拍手をしてくれました。

 

サポートしながら写真を撮るにはかなり余裕をもって撮影するので小さい写真ばっかりです © Satomi T.

トイレの場所を伝えて、着替えを渡しました。その間に外れかけているゼッケンをテーピングで補修し、必要な物を補給させました。(ゼッケンが日本のと比べるとかなり紙っていう感じで私が見た選手何人かも手に持っていました。)ここでもスイートポテト1個食べました。その間に順位を伝え、もう1段階上げてプッシュできる!まだまだいける!と励まし、別れました。

104km PASSO GIAU 14:14到着

第四サポート地点 © Satomi T.

ここはサポート出来る最後のエイドです。予定ではここは行かずにそのままゴールへ向かうとしていました。前のエイドから10kmほどですが、車で行くと遠回りをするため40分近くかかり、サポートするには間に合うかどうかギリギリだったからです。私も予定通りゴールに向かうつもりでしたがサポートせず応援だけなら十分に間に合うと思い、下見していない道路から行くのが過ごし不安でしたがどうにかなると思って向かいました。到着するとやっぱり路駐は当たり前状態でした。車を止めて600mくらいをゆっくり走りますが標高2000mを超えている所なのですぐに息が切れて走れなくなります。間に合わなかったら来た意味がないのでイチニ、イチニ、と言いながらエイドへ向かいました。携帯しているGPSをチェックするとまだ通過していないようなので安心しました。でも10分後には到着したので危なかったです。

フルーツポンチを楽しみにしていたらしいです © Satomi T.

来てくれたんだ!と笑顔で言われ、あ~来てよかったと本当に嬉しかったです。サポートはしないのでカップに入ったフルーツポンチを美味しそうに食べていました。後からスタートしたCOLTINA TRAIL(46km)の選手と同じコースなので選手の数が増えているけど、惑わされず薫ちゃんのペースで走ってと伝え、じゃあゴールでね!と握手をして別れました。ここで見た表情が今までで一番楽しそうだったので、ほんとに凄いなと独り言を言いながらゴール会場へ向かいました。

しっかり補給をして、さぁ出発!あと16kmだ!© Satomi T.

120km ゴール地点 16:40

ゴール会場はたくさんの選手やその家族、友人でいっぱいでした。ゴール後に必要な物を準備してゴール近くに座っていると一人のおじさんに話しかけられました。第一声が日本人か?だったので、むちゃくちゃ疑いのまなざしを向けました。すると自分は大会関係者で日本人女性がロストしているけど会話が出来ないという事でした。つまり通訳してほしいという事のようですが私の英語力で大丈夫かなと不安になりましたが、うまく通じて30分程でレスキューされたようでした。住所や看板は読み方が分からなかったり、スペルを言っても伝わらなかったりするので、そういう言い方は勉強して行く方がいいなと思いました。(TokyoのTとかNorwayのNとかそういう伝え方)

ひと助けをしたという満足感で満たされたままかおりちゃんを待っていると遠くからひと際小柄な姿が目に入りました。そうです、かおりちゃんです!

おかえり!!! © Satomi T.

 

周りの人たちもゼッケンを見て120km走ってきた彼女をブラボーと言って祝福していました。ゴールの瞬間は見れませんでしたが、アナウンスで「KAORI NIWA、JAPAN!!」の声が聞こえてきたとき安心して涙が出てきました。走ってない私が泣くのも変なので頬をたたいて笑顔でかおりちゃんのところに向かいました。そしてかける言葉はいつも同じですがお帰り!です。途中から辛くて足も痛い状態だったみたいですが最後はやっぱりいつもの笑顔。二人の記念写真を撮りました。

 

© Satomi T.

 

あとがき

今回は本当に色んな事を経験させてもらいました。もう10年以上の付き合いですが、こんなに長く二人でいたのは初めてです。心がけたのは私が丹羽家に泊まりに行ったときのような感覚で過ごしてもらう事。私には彼女より秀でた才能はないです。求められているのは普通の事、いつもと同じような状態だと思っています。一緒にご飯を作って、食べて、寝て、という普通の事が普通にできる環境。難しい事ではないので私がいつも通りにしていればいいだけだと思いました。そして結果は12位と入賞まであと1歩でした。私にあとどんな事ができたのか今はまだ分かりませんが、Hardrock 100までに何か見つけて改善して、素晴らしい走りのお手伝いをしたいと思います。そして薫ちゃんを支援された皆さんにこんな素晴らしい機会を頂き本当に感謝の気持ちでいっぱいです。この経験はかけがえのない大切な思い出です。
また個人的ですが理解ある優しい主人と上司、職場の仲間にもありがとうの気持ちを伝えたいです。